団体戦の楽しみ方

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団体戦の楽しみ方を聞かれました。
団体戦は決められた体重以内で選手を集めます。
同じ道場から集めるもよし、仲の良いいろいろな道場から集めるもよし。
チーム作りからやると面白い。
でもただ強い人だけを集めて試合し勝つことだけが、やって楽しい見て楽しいではないと思う。
僕は根っからの巨人ファン。
だけどFAで主力ばかり集めた長島巨人はつまらなかった。
個性のある生え抜き中心の藤田巨人が好きでした。
一般的にはつまらない野球と言われてたけど。
4番バッターばかりいても勝てません。
送りバントの川相が好きでした。
緒方が出塁して川相が送ってクロマティと原で返す。投げては斎藤が完投。
野球の話はさておき、格闘技の団体戦の醍醐味も一緒。
よく格闘技は個人競技だからと勘違いしている人がいますがそれは絶対違う。
一人で何が出来る?
練習は相手がいないと出来ません。
格闘技は相手の気持ちを折る競技。
だから気持ちが折れないように仲間がいる。
辛い練習を共にした時間が多ければ多いほど本物の仲間になれる。
個人戦は喜びや悔しさはみんなで共有できるけど苦しさは試合した人しかわからない。
けど団体戦って交代交代みんながみんな試合したり応援したりだから同じ喜びはもちろん苦しさも共有できる。
だから苦しさを感じる分嬉しさも倍増するし、見ている人にも伝わるんだと思う。
今回のBJJ KUNOICHI。
湯浅麗歌子は間違いなくチームの中心でした。
彼女がいなかったらこのチームは成り立たなかったし彼女の代わりは他にはいませんでした。
いや訂正。
チームのメンバー、誰一人として代役はいなかった。
誰一人として欠けてたら戦えなかったと思います。
湯浅麗歌子、杉内由紀、市川奈々美、越後伊織、澤田明子。
僕は越後と澤田がこのチームの不安材料だと思っていました。
越後はこの大会の約1カ月前に試合で足に大きな怪我をしました。
足関節が得意な10thプラネット戦を考えたら怪我をした状態で出場させるのは難しいし、その後の柔術人生を考えたら無理をさせたくはありませんでした。
そのため彼女には内緒で代役を考えてました。
でも彼女がいなかったら決勝のあの試合はなかったわけだし、あれだけの展開にはならなかった。
もう一人、澤田明子。
彼女の実力が足りないのは充分知っていました。
だから越後が大丈夫で代役の人をいれて澤田を外すことも考えていました。
ガッツだけじゃどうにもならないことがある。
そんな彼女に与えた初戦の役割は次鋒に配置し先鋒を抜いた人と引き分ける、もしくは負けてもなるべく力を使わせて体力をけずること。
一本取るということは特にスタミナを使うので澤田が粘ればその分次の湯浅が楽になると言っていました。
実際は秒殺され試合中に悔し泣きをしていました。
それでもそれは想定内でありサラマクマンを削るという仕事は成し遂げたんです。
決勝は置き大将のポジション。
置き大将とは副将が相手チーム大将と引き分けることで一人残りで勝つ作戦でした。
置き大将を置くメリットは副将のエース湯浅が一本勝ち以外にも引き分けを選択できるようになります。
逆に一歩間違えば今回のようにチームの勝敗を決める重要なポジションになる場合もあります。
湯浅が引き分けたときのプレッシャーは想像できないことでした。
多分会場にいた人みんなが最後は秒殺されて終わると思っていたと思う。
けどあの最後まで諦めない試合は心を動かされました。
今思えばこんな役割はあっこにしか任せられなかったと思う。
普通、自分なら絶対嫌だから。
試合結果としては負けたけどKUNOICHIの心は誰一人として折れていませんでした。
もうそれだけで充分。
湯浅麗歌子は責任感が強い人間です。
同世代の子をこれまで見てきたけどいわゆるゆとり世代で僕は信用も信頼もしてきませんでした。
しかし彼女は違った。
強いだけでなく内面もしっかりしている。
逆にもっと楽にしていいよって思うくらい。
それができないのが彼女の良いところだし悪いところでもある。
そんな彼女だからKUNOICHIのみんなは応援したと思うし、みんな頑張った。
それで成り立っていたのがKUNOICHI。
TEAM BJJ KUNOICHIは湯浅のチームであって湯浅のチームじゃない。
このよくわからないのがKUNOICHIの忍法です。
こんな様々なドラマがあるから団体戦は面白い。